推薦図書
私が読んだ本の中から推薦できる図書を紹介しています
コミュニケーション
本書で語られていることは心理学的でうまく説明できる。ただし、それを心理学者が心理学の用語を使って説明しても小難しくなってしまうだけである。それを畑村先生は身近な例を用いながらわかりやすく説明されている。
私自身の関心あるテーマが多く、納得のいく話ばかりであった。伝えることで大切なことは、「伝える工夫よりも、受け手が欲しくなる状況をつくること、そして伝わったかどうかを見守ることだ」と述べてあるのはその通りで、なかなかそれが自分で出来ていないことは反省させられる。
また、マニュアルなどは陽の部分だけではなく陰の部分も伝えないといけないというのは、私もかねてから主張(それほどでもないが)している。マニュアルにある通りしないと何が問題なのか、そういうやり方に決めたのはなぜなのかが伝わらないといけない。これは、制度などを決めるときも同じで、決まったことだけしか文書化しないことがあり、なぜそのような制度に決まったのかが伝承されていかないと、作成したときの事情を知らない人が後で改訂すると、改悪されてしまう恐れがある。
非常に読みやすく、ここで書かれていることはいろいろな場面で役に立つ。一読あれ。
説明をする側は自分でわかっているため,説明を受ける人の立場になかなか立てないのです.本書で書かれていることは,説明を受ける人の立場に立つために具体的にどうすればいいのかということです.書かれている内容は特別なことではなく,よく考えてみれば当たり前のことかもしれません.ただし,ルールという形で明快に書かれていますので,それらを意識してプレゼンを行えばわかりやすく説明できるようになるでしょう.
実は,本書を手に取ったのは「おわりに」の内容が目にとまったからでした.必ずしもわかりやすい授業が本当によいことなのかという話です.過剰に分かりやすい授業は学生が自ら考える力を奪ってしまう可能性があるのではということです.
「説明」がどのような目的でなされるかによるのですが,理解するには説明を受動的に聞いてわかったということだけではなく,自分で考えていくプロセスも必要で,それを促すことが「説明」としてはいいことなのだろうと思います.
文書は,ただ情報を伝えるだけではありません。広告や案内は「来てほしい」,「買ってほしい」,取扱説明書は「こう操作して欲しい」といったように,「○○して」欲しいという目的があるはずです。つまり「人を動かす」ことが目的で文書は書くわけです。そのためにどのようなことが重要なのかを例をあげながらわかりやすく説明されています。しかも,練習問題形式になっていますので,自分で文章を考えるという訓練になります。そのため,この本を読み終えた頃には,上手に文書が書けるようになっているはずです。
最後に心理学の用語集までついていますので,本文に出てきた言葉で専門的でわかりにくい言葉もわかるようになっています。
わかりやすく人に伝えることは,非常に難しいことです。会話,文章,掲示物など,どれでもそうです。しかし,実際にはわかりやすさが疎かにされているのが現実です。この本では,そのような実例を多くあげならが,どうすればわかりやすくなるかを説明されています。わかりやすく人に伝えることは,認知心理学的にも興味深いものがあります。この本の筆者は心理学の専門家ではありませんが,心理学的知見からも納得のいく議論がされております。認知心理学の応用的な本としてみてもよいですし,実用書として読まれてもいいと思います。
見事に「わかる」ということを認知心理学的に説明しています。非常にわかりやすく、説得力があります。この手の本では、専門家にしかわからない本しかなかったり、一般向けの本では物足りなかったりしたものでした。この本は、一般の人が読んでも十分に手応えがあります。そして、よくわかるのです。ぜひ読んでください。
書くんだったら、こんな本を書かないといけないと思いました。そして、私が書いたのが、「コミュニケーションの心理学」でした。西林先生の域には到底達していませんが、「わかる」ということを書こうと思った本です。