ミスによる事故をどう防ぐか
4種のヒューマンエラーと組織の安全文化

松尾太加志 2026年10月 中央公論新社より出版 1,155円


 ヒューマンエラーに対する対策を検討すること簡単なことではない。しかし、ヒューマンエラーを4つの種類に分類すると、その分類に応じた対策のパターンを使うことで、ある程度ヒューマンエラーを防ぐことができる。
 ただし、それだけですべてが解決できるわけではない。背景的な要因が必ず存在しているからである。背景要因は小手先の対策で対応できるものではない。それは組織が影響しているからだ。事故事例をみていると組織の抱える問題が大きいことがわかる。組織が安全文化を醸成して対応しなければ事故はなくならない。

詳細目次

序章 ヒューマンエラーの定義と分類

 1. ヒューマンエラーの定義
 2. ヒューマンエラーの分類
 3.「違っていた・わからなかった」エラー(誤認識エラー)
 4.「知らなかった・できなかった」エラー(リソース不足エラー)
 5.「しておけばよかった」エラー(安全行動省略エラー)
 6.「してしまった」エラー(効率優先エラー)
 7. 分類のまとめ
 8. 事故に至らないようにする

第1章 なぜ人はミスをするのか

 1. 人間は効率優先
 2. 人間はトップダウン的に判断する
 3. 人間は選択的に注意を向ける
 4. 人間は自動処理をする
 5. 人間は知識やスキルが常に高いわけではない
 6. 人間はリスクを低く見積もる
 7. 人間の特性とヒューマンエラーの分類

第2章 滑走路衝突事故(誤認識エラー)−「違っていた・わからなかった」エラー・事例1

 1. 衝突事故はなぜ起きたのか
 2. どうすれば事故は防止できたか
 3. 誤認識エラーを防ぐには

第3章 使用禁忌の薬剤を使った医療事故(リソース不足エラー)−「知らなかった・できなかった」エラー・事例2

 1. 使ってはいけないことを知らなかった
 2. 知識不足にはどう対処すべきか
 3. 知識がなかったことは責められるべきことなのか
 4. リソース不足エラーを防ぐには

第4章 通園バス置き去り事故(安全行動省略エラー)−「しておけばよかった」エラー・ 事例3

 1. 送迎バス内に取り残され死亡した園児
 2. 確認がなされなかった
 3. 確認不足を誘発した背景要因
 4. 事故を防ぐには
 5. 安全行動省略エラーを防ぐには

第5章 速度超過で脱線した鉄道事故(効率優先エラー)−「してしまった」エラー・ 事例4

 1. 遅れを取り戻す速度超過
 2. 運転士の心理状態の問題
 3. 効率優先を生んだ組織風土
 4. 効率優先エラーを防ぐには

第6章 正しいリスク認知のために組織で取り組む

 1. 安全策が守られなかった触車事故−事例5
 2. 過積載による労災事故−事例6
 3. 個人のリスク認知
 4. 組織のリスク認知
 5. 組織的な教育や研修
 6. 安全情報の共有を
 7. 集団の中でうまく規範を作る
 8. 意識よりも行動として

第7章 安全文化の醸成

 1. 隠蔽文化
 2. 懲罰文化
 3. 学習文化
 4. 安全文化に必要な要素
 5. 心理的安全性

終章 ミスを許容し事故を防ぐ

 1. 分類を考えながら防止策を
 2. Safety-II の考え方−ゼロリスクを求めない
 3. 安全のために社会全体でコストを
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